Column お役立ちコラム

パワハラ上司の特徴と精神疾患|横行する原因・対策・日本人について

(2025年3月27日:追記更新)
我が国の労働現場でパワハラが猛威を振るっています。

「パワハラ」による労災決定件数が、2022年度に147件でトップとなったのに引き続き、2023年度においても157件でトップとなりました。

なぜ我が国ではこれほどパワハラが横行するのでしょうか。その社会病理と対処法をメンタルヘルスの観点から考察してみたいと思います。

パワハラの定義と行為類型

本題に入る前に、皆さんもうすでにご存じだとは思いますが、労働施策総合推進法で定められているパワハラの定義と、厚生労働省が定める行為類型について簡単に紹介しておきます。

※出典:『ハラスメントリーフレット』 厚生労働省


パワハラの定義

①職務上の地位や人間関係の優位性を背景に

②業務の適正な範囲を超えて

③心身に苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為


※①~③を全て満たす

パワハラの6類型

①殴る蹴るなどの「身体的な攻撃」(傷害罪です!)

②脅迫、侮辱、誹謗中傷、人格否定などの「精神的な攻撃」

③無視、仲間はずれなどの「人間関係からの切り離し」

④膨大な量の仕事を押し付けて責任を取らせる「過大な要求」

⑤仕事を与えず雑用ばかりさせる「過小な要求」

⑥プライバシーを監視したり暴露したりする「個の侵害」


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精神疾患につながるパワハラ行為

ここで紹介するパワハラは、ついうっかり威圧的な態度をとってしまったとか、「上司のあの言動、よく考えたらパワハラだよなぁ」と後から気づくような代物ではありません。

その行為が即、被害者のメンタルヘルスに悪影響を与える、もしくは精神疾患にまで陥らせてしまうほどの悪質なパワハラ行為です。

相談・質問のたびに屈辱的な言葉で罵倒・人格攻撃する

このパワハラ行為は、

 「お前はバカか」
 「頭悪いな」
 「低能」
 「無能」
 「給料泥棒」
 「病気か」
 「死ね」

など、業務とは無関係な、部下の人柄や人格を侮辱するものです。

もし仕事で至らない点があったのなら、その至らない点と改善策を具体的に指摘すればいいだけで、人格と絡めて侮辱することには何の意味も効果もありません

このタイプの上司を持つと、言葉を交わすたびに非生産的ないちゃもんをつけられますので、ほんのちょっとした業務でも進捗させるのに膨大な時間が掛かってしまいます(決裁や承認に意味のない時間を要する)。

そして、「何でこんなに時間が掛かるんだ、お前は無能か」という、新たな攻撃のネタを与えることになります。とても悪質で普通ではありません。

このパワハラは、場合によっては脅迫罪や侮辱罪に該当する可能性があります。

いま被害に遭われている方は、「恐ろしい言葉で罵倒されている」、「人格を侮辱されて苦しい」と、早急にその上司の上司、または人事部門の窓口に相談してください。


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ダブルバインド(二重拘束)

こちらは、他のコラムでも紹介していますが、矛盾した二つの選択肢を提示して、どちらを選択しても制裁(叱責、侮辱、罵倒)を加えるパワハラ行為です。

具体的には以下のような矛盾したメッセージの組み合わせとなります。

● 「勝手に判断するな」と「いちいち聞きに来るな」というメッセージのセット
● 「自分で考えろ」と「勝手なことをするな」のセット
● 「いちいち報告するな」と「何で早く言わないんだよ」のセット etc.

ダブルバインド上司は、部下を困らせるために意図的にダブルバインドを使います。要するに嫌がらせ目的です。

ダブルバインドを瞬間的に使いこなす激ヤバ上司の能力は天才的です。

過去に一度でもダブルバインドを使って部下を休職や退職に追い込んだことがある人間には、絶対に部下を持たせてはいけません。

ダブルバインドがメンタルヘルスに与える影響は甚大です。

ダブルバインドを掛けられて継続的に叱責や侮辱を受けると、逃げ道を完全に失い、どんな人でも数週間から数か月でメンタル不調に陥ります

ダブルバインドは非常に危険です(悪用厳禁!)。

ダブルバインドを掛けられたと分かったら一刻も早く、「上司が巧妙に私の心を壊しにきている。あの上司から離してほしい」と、上司の上司や人事部門の窓口に相談してください。


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理詰め・雪隠詰め・詰問

このパワハラは、何を答えても、逆に答えられなくても、たとえどのような応答をしたとしても、ことごとく理屈をこねて揚げ足を取り、追い詰めていく行為です。

謝罪しても、その謝罪に対して理詰めの雪隠詰めが始まります。

 「謝って済む問題か?」
 「どうして謝った?」
 「何について謝った?」
 「その非は何だ?説明してみろ」
 「説明もできないのに謝ったのか」
 「やっぱりお前はバカだな」
 「じゃあバカじゃないことを証明しろよ」
 「早く証明しろよ」・・・・(延々と続く)

理詰めの雪隠詰めは大声で怒鳴る必要はありません。冷静に淡々と「詰める」だけで十分です。

被害者に何らかの精神的な異変(泣き出す、怒り出す、逃げ出すなど)が現れるまで、長時間にわたって「詰める」のが特徴です。

そして、この精神的な異変は後日、再度の「詰め」の口実に利用されます。こんな人間を絶対に管理職にしてはいけません。

理詰め・雪隠詰めは、始業前や終業後の1時間など、なぜかスケジュールを組んで行われることが多いようです。

激ヤバなパワハラ上司にとってこの時間は、強い快感を覚える時間となります。だからご丁寧にも、自分が早く出勤することや帰宅が遅くなることも厭わないのです。

強制的にスケジュール化された理詰め・雪隠詰めが行われているのであれば、それは業務外の不当な身体拘束にもなりかねません。

こちらも早急にしかるべき人や窓口に相談しましょう。

※出典:『クラッシャー上司』 松崎一葉著 PHP新書



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公開処刑・吊し上げ・見せしめ・晒し者

こちらは、オフィス内や会議の場など、他の職員の衆人環視のもと、人格攻撃したり罵声を浴びせたりするパワハラ行為です。

辱めを与え、恥の感情によって被害者の心を痛めつけます。グループラインやccの入ったメールなどでも威力を発揮します。

さらに、公開の場で先ほどの理詰め・雪隠詰めを行うと、見せしめ度が上がり、メンタル面への悪影響も甚大となります。

衆人環視の雪隠詰めは、周りの職員への影響も大きく、パワハラ上司は絶対的な地位を確立していきます。

どうして第三者に虐めている場面をわざわざ見せつけるという、手の込んだことをするのでしょうか。

大勢の前で公開処刑や吊し上げを行う上司のほとんどが、自己愛性パーソナリティ障害という精神疾患を持っていると思われます。

自己愛性パーソナリティ障害とは極度のナルシストのことで、自分の自己愛を満たすためなら手段を選ばないという特徴があります。

そして、「自分は特別な存在である」となぜか深く信じていて、他者は自分のために存在しているゴミクズだと認識しています。厄介ですね。

というわけで、周囲への自己演出のために、大勢が見守るオフィス内やグループライン、メールのccを使った虐めを多用するのです。

衆人環視の中で強い自分をアピールすることで(本当は全く強くありませんが)、非常に大きな快感を得ています。手に負えません。

極度のナルシスト上司にはどう対処すれば良いのでしょうか。

最も重要なことは、まともな社員や同僚であれば、誰もあなたのことを無能とは思っていない、ということを認識することです。

周囲は、「また始まった」、「またやってるよ」くらいにしか思っていません。決して、「自分が悪いのではないか」とは考えないことです。

そして公開処刑や吊し上げで実際に業務に支障が出ているのであれば、その上司の上司や人事部門の窓口に、「業務の進捗が妨害されて困っている」、「仕事の士気が下がって困っている」と相談してください。

会社への相談で解決しない場合は、労働基準監督署や自治体の労働局など、公的な窓口への相談も検討してください。


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身体的な暴力

身体的な暴力も当然、精神面に甚大な悪影響を与えます。これは犯罪行為なので刑事事件として扱いましょう

職場で暴力を目撃した場合は警察に通報です。宜しくお願いします。


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パワハラ被害者と精神疾患の関係

ここからは、パワハラ被害者と精神疾患の関係について見ていきたいと思います。併せて、パワハラの悪質性と対処法についてもご紹介します。

パワハラ被害者の特徴

パワハラ被害を受けた方のカウンセリングを通して、精神疾患にまで陥った方には大きく二つの認知的な特徴があることに気づきました。

ひとつは、「悪い出来事の原因は私にある」という解釈やイメージが自動的に意識に現れるタイプです。

責任感が強く自責的で、激ヤバな上司から不当な嫌がらせを受けているにもかかわらず、「私が悪いのではないか」、「上司の言う通りかもしれない」と瞬間的に考えてしまいます。

もうひとつは、「パワハラ被害から逃れるために誰かに助けを求めたら、もっと悪いことが起こる」という解釈やイメージが自動的に意識に現れるタイプです。

これらの解釈は事実を反映していない可能性が極めて高く、その解釈どおりに行動すると健康を害する可能性も高くなります。

すなわち、「助けを求めないことが最も安全だ」と考えて取った行動が、残念ながら全く安全ではなかったということです。

どちらのタイプも相談をためらい、出口を見失い、恐怖におびえ続けることによって、精神疾患に陥ってしまっています。

ちなみに、激ヤバなパワハラを受けても精神疾患を発症しない人もいます。そういう人の多くは、「言わせておく」、「右から左に聞き流す」という対処をしています。

朝から上司に喚き散らされても、「今日も朝から元気だなぁ・・・」と、遠~い目をして観察するのが一番のようです。


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パワハラが精神疾患を生じさせるメカニズム

嫌がらせによって逃げ場がないのなら、上手に誰かに助けを求めれば良いのですが、脳内の解釈やイメージがそれを許さず我慢を続けてしまいます。

「助けを求めるのは危険だ!助けを求めるな!」と脳から命令されているのです。

パワハラによる精神疾患とは、想像を絶する恐怖を「我慢」して突破した先に現れる、最終的に自分を守るための「自己防衛反応」だと思います。

憂鬱を生じさせて強制的に意欲を低下させ、体を動けなくしている(危険な場所へ行けなくしている)のです。

現代人に求められる素晴らしい資質のひとつである「我慢強さ」を、パワハラ上司は巧みに利用しています。絶対に許せない行為です。

一方、パワハラによって逃げ場がなくなったら早めに退職する方がいますが、これは逃げているのではなく、全力で自分の心身の健康を守っているのだと思います。

こういう方は、「自分が悪い」とか「助けを求めるな!」という解釈ではなく、「この上司いかれてる!」、「こんな奴にメンタルやられるなんてまっぴらごめんだ!」と自動的に解釈して、早々に退職しているのだと思います。

これらも瞬間的に意識に現れる解釈やイメージですね。

瞬間的な解釈には個人差があります。人の行動は脳の瞬間的な情報処理の結果によって正反対にもなるのです。

注意)
問題の主体は激ヤバな上司であって、被害者には何の落ち度も無いということを、ここで強調しておきます。


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パワハラは不安か恐怖か

不安とは、「もし起こったらどうしよう」という未来の脅威に対する感情で、実体はありません。バーチャルでありフィクションです。

脅威は、不安を感じている人の頭の中だけに存在しています。

対処法は、「過剰な不安を無視しても悪いことは何も起こらない」ということを、心理療法を用いて脳に教えます(これを曝露法といいます)。

一方、恐怖とは、脅威が目の前に実在しているときに生じる感情です。恐怖への対処法は、「逃げる」か「戦う」かしかありません。二者択一です。

そしてパワハラは不安(バーチャル)ではなく恐怖(現実)です。したがってパワハラへの対処法は「逃げる」か「戦う」かしかありません。

不安と恐怖の詳細についてはこちらをご覧ください


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パワハラに単独で対処することはできない

しかし職場とは特殊な場所で、逃げることも戦うこともできません。「逃げる」ことは職務専念義務違反に、「戦う」ことは暴行罪または傷害罪に該当します。

したがって、個人では対処のしようがありません(単独でのパワハラ解決は極めて困難です)。

そして激ヤバなパワハラ上司は、被害者が逃げることも戦うこともできないということを熟知したうえでパワハラを行っています。

そういう意味でもパワハラは、極めて深刻で卑劣な行為と言わざるを得ません。


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パワハラ上司とは何者か

ここまでお読みになり、「パワハラは悪だが、被害者が精神疾患に陥るかどうかは被害者側の要因が大きいのか」と理解された方がいましたら、それは私の本意ではありません。

確かにパワハラによって精神疾患に陥った方には、先に説明した、
①自分が悪い
②助けを求めたらもっと悪いことが起こる

という二つの認知的特徴を持つ方が多いのは実感しています。

しかし激ヤバなパワハラ上司は、メンタルを壊せそうな部下を一瞬で見抜く天才的な能力を持っています。

従って、パワハラ被害の効果を最大限に発揮できる相手を意図的に狙い撃ちにしている可能性があります。

その特殊能力の持ち主が、サイコパス(精神病質者)とナルシスト(自己陶酔者)です。


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サイコパス(精神病質者)

サイコパスとは、共感能力の欠如や、不安や恐怖を感じない、目的のためなら手段を選ばないといった特徴を持つ人のことを指します。

サイコパスは必ずしも犯罪をおかすわけではありません。邪悪さをうまく隠すことができる賢いサイコパスは、社会的成功を収めることも多々あります。

不安も恐怖も感じることがなく、他者への共感性もないサイコパスが、ある目的を達成しようとするときに用いる手段はとても冷酷です。

ある目的とは、他者を傷つけることそれ自体、あるいは経済的成功や社会的名誉を手に入れることなどが該当します。

相手を貶めるときに、相手の心の痛みに共感することはありません。何のためらいもなくブルドーザーのように自分の利益を取りに行きます。だから出世します。

なお、サイコパスに敢えて診断をつけるとしたら、反社会性パーソナリティ障害が該当します。厳密には同一の疾患概念ではありませんが、概ね一致しています。


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ナルシスト(自己陶酔者)

ナルシストとは、他者に深刻な悪影響を与えるほどの強い自己愛を持つ人のことです。

共感能力の欠如と、目的のためなら手段を選ばないという、サイコパスに似た特徴を持っています。

サイコパスと異なるのは、自分の欲求に相手が自動的に従うことを期待する特権意識と、強い称賛欲求を持っている点です。

称賛を得るためなら手段を選ばず、部下を利用したり、部下の手柄を横取りするくらいはお手のものです。自分の自己愛を満足させるために部下の自己愛を破壊します。

邪悪さについてはサイコパスよりも小者感は否めませんが、それでも善良な社員からすれば厄介者で手に負えません。

激ヤバなナルシストに診断をつけるなら、自己愛性パーソナリティ障害が該当します。

自己愛(ナルシシズム)はどんな人でも持っていますが、激ヤバなナルシスト(自己愛性パーソナリティ障害)が持つ自己愛は、関わった他者に深刻な悪影響を与えるほど過剰なものです。


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社会的に有害な3つの性格特性(ダークトライアド)

なちなみに、

①サイコパスが持つサイコパシー(精神病質)
②ナルシストが持つナルシシズム(自己愛)
③マキャベリストが持つマキャベリズム(手段を選ばない性質)

これら3つの特性のことを、「社会的に有害な3つの性格特性(ダークトライアド)」と呼びます。

ダークトライアドの特徴をひとつでも持つ人間を絶対に管理職にしてはいけません。部下は極めて過酷な状況に置かれます。

ダークトライアドを持つ上司のもとで苦慮している方は、一刻も早く上司の上司や、人事部門の窓口に相談してください。


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軽度の自閉スペクトラム症(ASD)

軽度の自閉スペクトラム症を持つ人(以下、軽度ASD)のなかでも、攻撃的な性格を持つ人はサイコパスとほぼ同様の行為を行うことがあります。

ここで注意していただきたいのは、軽度ASD全員がパワハラを行うわけではないということです。

人に様々な性格があるように、ASDにも様々な性格があります。その中でも特に攻撃的な性格を持つ軽度ASDは、激ヤバなパワハラを行ってしまうことがあります。

しかしサイコパスと軽度ASDでは、パワハラを行う動機が全く異なります

サイコパスは目的を達成するため、あるいは快感を得るために、相手の感情や状況を十分理解した上で意図的に相手を攻撃します。

一方、軽度ASDの中でも攻撃的な人は、相手の気持ちを理解することができず、自分が何をしているのか分からないまま、結果的に相手を攻撃してしまいます。

激ヤバなパワハラ上司の精神病理については、こちらも併せてご覧ください


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日本でパワハラが横行する背景と原因

我が国の労働現場から一刻も早く激ヤバなパワハラが消滅してほしいと願っていますが、一向に減る気配がありません。

その原因を、日本の組織の文化、風土から考察してみたいと思います。

我が国における組織風土と文化

それにしても、どうしてこんな激ヤバなパワハラが起こり続けるのでしょうか。その原因と対策を私なりに考察してみたいと思います。

日本の組織は能力ではなく単なる年次で偉くなります(本当は立場が異なるだけで偉いというのは勘違いなのですが)。そして単に「偉くなる」を通り越して、絶対的存在になっていきます。

そして上司から見て部下とは、何でも言うことを聞く下っ端になります。

もちろんそんなルールが存在しているわけではなく、また、全ての上司が、部下を下っ端として見ているわけではありません。

ただ、部活の「監督と生徒」や「先輩と後輩」のように、「絶対的存在vs下っ端」という構図は、文化、風土、しきたりとして我が国の組織に根強く存在していると思います。

部下を下っ端や奴隷のように扱う上司が現れても、日本人であれば特段驚かないということが問題なのです。

その結果、ある一定数、激ヤバなパワハラ上司が登場(精神病理が開花)してしまうのではないかと感じています。

職場という場所は本来、仕事を前に進めることを使命とする場所です。

「上司が威張る場所」でも「部下が苦しむ場所」でも「部下がしごきを受ける場所」でもありません。仕事が前に進めばそれで良いのです。

本来の上司とは、指示命令系統の中で部下とは異なる役割を担っているだけであり、人間性や人格の価値に1ミリも優位性はありません。人としての存在価値は同じです。


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パワハラ上司の管理監督者が何もしていない

もうひとつの問題は、パワハラを行う人間の上司に当たる人の事なかれ主義です。

自分の部下がパワハラを行っていて、精神疾患で休職したり退職したりする人が続出していても、その上司(パワハラ上司の上司)は全く困っていません。

自分が安泰であれば、下位の領域で騒動が持ち上がっていたとしても、仕事が増えるだけですから、対処しようとは考えないでしょう。

「私の問題ではない」と考えていると思います。

どなたも多忙で、本来業務である部下のマネジメントにまで手が回らないのでしょう。部下のパワハラ行為をやめさせるのも、上司の大切な仕事です

パワハラで処分を受けた職員の上司も、安全配慮義務違反としてしっかりと責任を追及される社会に、一刻も早くなってほしいと願っています。


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パワハラのない職場を目指して

日本のパワハラ天国ぶりを解決するには、まず上司の理不尽(道理の通らない行為)を許容する文化との決別が必要です。

メンバーシップ型からジョブ型へ(上司の専門職化)

パワハラを減らすには、日本人が大好きな「スポーツ根性」に通じるメンバーシップ型雇用と決別し、ジョブ型雇用の導入が最低限必要だと考えています。

なぜなら、業務の範囲と内容を明確にして、それに見合った報酬を与えることで、年次ではなく組織の管理能力で上司なるものが据えられるからです。

そう、管理職の専門職化です。

「組織に何年在籍しているから管理職になる」のではなく、マネジメント能力を持つ人が管理職になるべきです。


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「パワハラ」という言葉で問題をひと括りにしない

最後にもうひとつ。

そもそも「パワハラ」という言葉が良くないと思っています。なんとなくぼんやりしていて、「よくあるいつものやつね」というニュアンスを感じます。

深刻さが薄まってしまうのです。

身体的な攻撃は暴行または傷害と正確に呼ぶべきです。精神的な攻撃は脅迫、侮辱ときちんと呼ぶべきです。

全体を指す言葉にしても「パワーハラスメント」ではなく、「職場での嫌がらせ行為」とか「社内での連続虐待事件」など、実態に即した名称に変えるべきです。

言葉の重みから、行為の重大性を全ての方たちに感じてもらうことができると思います。


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まとめ

激ヤバなパワハラを、精神疾患につながるパワハラとして論じてきました。

そして、パワハラで精神疾患に陥ってしまう方には、「誰にも相談せずに耐える」という共通した対処パターンが見られます(私の経験上です)。

今、逃げ場のないパワハラに苦しんでいる方は、すぐに信頼できる誰かに相談してください。助けを求めてください。

瞬間的に意識に浮かぶ、「助けを求めるのは危険だ!」という解釈やイメージは事実ではありません

道は必ず開けます!


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投稿者プロフィール

松村 英哉
松村 英哉精神保健福祉士/産業カウンセラー/ストレスチェック実施者資格/社会福祉施設施設長資格/教育職員免許
個人のお客様には、認知行動療法に基づくカウンセリングを対面およびオンラインで提供しています。全国からご利用可能です。

法人向けには、メンタルヘルス研修やストレスチェック、相談窓口の運営を含む包括的なサポートを行い、オンライン研修も対応。アンガーマネジメントやハラスメント研修も実施し、企業の健康的な職場環境づくりを支援します。